岡山大学の特色ある教育(特色GP)

私たちの取り組み

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これまでの経緯

 本取り組みの申請学部である工学部では,「豊かな想像力によって自ら考え」,「旺盛な課題探求力によって発言し」,「優れた問題解決能力によって行動する」人材を「発想型技術者」と定義しました.

 そして,「自ら考え,発言し,行動する」発想型技術者を育成するには,その基盤となる「読む,書く,話す」の日本語力を徹底的に訓練しない限り不可能であるとの強い信念から,本取り組みを平成7年から開始しました.

 ところが,当初は「文章は理系の学生が最も苦手とする分野だ」という学生の反発,「なぜ,工学部で日本語力教育なのか」という他教員の非協力など多くの困難に遭遇してきました.

 授業の創意工夫そして担当教員の努力と熱意によってそれらの困難を克服し,現在ではこの教育方法は学生・教員だけでなく,学会・協会からも高く評価されるに至っています.

これまでの経緯

本取り組みの特色

 本取り組みでは,「日本語力教育」「発想教育」「MOT( Management of Technology)教育」を個別に実施するのではなく,スパイラルアップで教育効果が向上するように連携させているのが特色です.

本取り組みの特色

日本語力教育の内容

 日本語力教育では,「読む」訓練で知識力が養成され,「書く」訓練で思考力が,「話す」訓練で判断力が養成されます.

 つまり,日本語力教育の「読む,書く,話す」の徹底訓練で発想力の基礎となる「知識力,思考力,判断力」を養成することができます.この3つがそろって初めて,発想力を具備した人材すなわち本取り組みの目標とする発想型技術者の育成が可能になります.

 また,ここでは図面作成能力の訓練と,最終的には学術論文の作成までを実地訓練します.

日本語教育の内容

発想教育の内容

 「発想教育」の取り組みは平成10年度に開始しました.ただし,JABEE(日本技術者教育認定機構)推奨による創成科目と本取り組みの「発想教育」とは,取り組み内容と教育方法において根本的な点で異なっています.

 JABEEの創成科目では授業開始直後からサバイバルゲームさながらに学生をモノ創成プログラムへ突入させています.

 しかし,発想力が豊かな学生はそれなりに独創的な成果を出すことができるのですが,大多数は発想力不足のため,失敗してしまいます.本取り組みでは,発想教育の実効を上げるために創造性の源である発想力訓練を体系的に学習させます.

 発想教育の最終段階では,PBL(Project Based Learning)訓練によるストローの斜塔などの独創的なモノ創成を課し,この発想ツールを用いた体系的な発想訓練を実施しています.

 さらに,定量的なアウトカムズ(=達成度)評価も実施できました.具体的には,学生の発想力のアウトカムズ評価すなわちリーダシップ,課題探求力,チームワーク,実務能力,創成能力の5 評価項目で学生の発想力を数値化し,学生個人ごとの達成度を判定する先進的な試みも実施しました.

 また,担当教員が執筆・出版した発想教育の教科書ならびに教育論文に対して,日本機械学会と中国四国工学教育協会から教育賞が授与されました.

発想教育の内容

MOT教育の内容

 MOT教育の特色は,専門知識だけでなく,工学倫理を加味したMOT知識を習得させ,さらに特許管理・戦略が立案できる技術者を育成するというところにあります.

 そのための授業科目として,6科目が既に実施されています.このMOT教育はわずか4年間の実施経験しかありません.にもかかわらず,日本語力教育と発想教育との相乗効果によって,特許申請と研究内容の向上に関して顕著な教育成果が得られています.

MOT教育の内容

教育成果

 本取り組みは,文部科学省と学会・協会から高い評価を得ているだけでなく,16編の教育実践例を各種の学会で講演し,10編が教育論文として掲載されています.

 このように本学の取り組み例を広く啓蒙した結果,多くの大学と産業界から講演を依頼され,その中には本学の教育法にならって同等の教育を実施する大学も現れ始めました.

 一方,優秀講演発表賞を受賞した学生が46名にも上ることは,日本語力教育と発想教育の輝かしい成果であるといえます.

教育成果

将来展望

 まず,本取り組みの日本語力教育,発想教育ならびにMOT教育に関しては,教育内容をより一層充実させて,継続的な改善・発展を実現します.

 また,前述のように本取り組みの日本語力教育と発想教育は学科・学部の枠を越えて普及しつつありますが,MOT教育を含んでさらなる普及・展開に尽力します.

 次に,中国四国地域の発想型技術者育成中核拠点を形成することで,近隣企業における技術者研修や企業教育を共同で研究する教育連携を企画し,近い将来には大学院MOT専攻を含む企業技術者の再教育システムを構築していく予定です.

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